7月21日土曜日。
サムリーが天国へ旅立った翌日。
まだ眠っているだけのようなサムリーと離れられず、途方に暮れている自分がいました。
遠方にいる夫は来れないし、かと言って一人で庭に穴を掘って埋めるのも、あまりに切な過ぎる。
こんな時、海外に住む孤独感が、どっと押し寄せます。
とりあえず、その日の午前中はサムちゃんの傍にいて、「癒しの音楽」をYOUTUBEで聴いたり、ネットで「ペットロス」についての皆さんのお話しを読んだり、涙も溢れるままにしてとことん哀しみと向き合ってみました。
やばいなー。
このままでいったら、どんどん落ち込んでしまいそう・・
なんとか、動かなきゃ。
***
その時、私はKさんを思い出していました。
サムリーが通院している病院でお友達になったシーズー「カイジアオ」ちゃんの飼い主さんで、私の唯一のママ友です。
「カイジアオ」ちゃんはサムちゃんと同い年で同じ病気でしたが、今年の冬、亡くなってしまいました。その後、生前に飲んでいた心臓の薬やお洋服などをKさんが分けて下さり、時々、サムちゃんにも会いに来てくれて交流が続いていたのでした。
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| 2017年12月 初めて出会った日。動物病院にて |
私はKさんに連絡を取り、まず市内でわんこを火葬できる場所があるか聞いてみました。
するとKさんがすぐに調べて情報を送ってくれました。
1.チェンマイ大学系列の動物病院
2. 普通の火葬場で、犬猫も受け入れてくれる所が2箇所
午後になって、雨も止んだので、私はバイクで直接聞きにいってみることにしました。
まず一つ目の大学系列の病院。
でもそこは、順番待ちが長く、待っている間、どこにあるか分からない市内の冷凍室に入れておかなければならないとのこと。更に、2週間ほどそこで待った挙句、火葬に行くのだけどその瞬間は見届けられず。
火葬の後日連絡が来て、お骨を渡してくれるとのことでした。
火に入る時も一緒に居られなかったら、どうやってそれがこの子の骨だって分かるんだろう!!??
そのシステムはだめだな、と諦めました。
2つ目に行った火葬場は誰もいなかったので電話番号だけ控え、あとで夫に電話してもらうことに。
最後に、家の一番近くの小さなお寺に行って聞いてみたところ、住職さんが出てきて
「いつでもいいから埋めにおいで」
と言ってくれました。
現に、タイのお寺には敷地内のある場所に穴を掘って動物を埋めたりすることは、普通に行われているそうです。(ただし必ず許可を得てから)
家に帰り、夕方になって夫が「火葬場の人と連絡が取れたよ」と電話をくれました。
その火葬場の係員の人曰く、「明日(日曜日)の朝9時から火葬できるから、3-4時間くらいでお骨を引き取りに来てもらえばいいよ」とのこと。
(私の心のなか)
朝9時か・・・。まだ心の準備ができてないよ・・
***
火葬をしたい・・・と思ったのにはいくつか理由がありましたが、その一つに、お骨や遺灰をサムリーのよく散歩に行っていた丘に撒きたい、という思いがありました。
そうこう話している間に、夫がこんな提案をしてくれました。
「本当は、休みを取りづらいのだけど、明日一日だったら日帰りで行けるよう上司に頼んでみるよ」
そして、数時間後。
彼から連絡が来ました。
「月曜日の朝には仕事があるから、日曜の夕方には出なきゃだけど、やっぱ行くわ」
彼が住んでいる所は、チェンマイと車で往復24時間の場所。日曜の朝に到着するには今夜(土曜)中にバスに乗らなければいけません。(飛行機は地理上、逆に不便だそう)
まさに時間制限のあるウルトラマンのような弾丸スケジュールが決定。
私はとても安心しました。
オトウサンが来てくれるなら、じゃあ、やっぱり家の庭に埋めて身内で見送ろう。
同時に、Kさんからも連絡が来ました。
「もし、火葬を待つのに何日も安置するなら一緒に動物病院に連れて行ってあげるから、保存処理の注射打ってもらったら?」
!!!
これは一人じゃ絶対、考え付かなかったです。
確かに亡くなってから2日目のサムちゃんは、少し臭いがしてきていました。
でも、明日もしお庭に入るとしたら、薬剤を打たずに早く 土に還れた方がいいんじゃないかな?
Kさんには、丁寧に事情を話してお礼を言いました。
明日の朝になったら、夫が到着。そして友人のAちゃんも朝から一緒に付き合ってくれると言います。
***
その日の夜、マフラーに包んだサムちゃんを連れ出して、私とAちゃんは車でお花を買いに行きました。
車移動が大好きだったサムちゃんとの、最後のドライブ。
そこで、ミラクルが起こりました。
帰り際、車に戻るとどこからともなく大勢のお坊さん達による読経が、かすかに聞こえてくるのです。
これまで私の車でそんなことは一度もなかったのに、なんとそれは、カーラジオから流れてきているのでした。
布の中で眠るサムちゃんと一緒に、私たちはお経を聞いて帰りました。
***
家に帰ってから私は寝る前にもう一度、時間をかけてゆっくりとサムちゃんの爪を切り、余分な毛を剃ったり体を拭いてあげました。
動かないサムちゃんの体に触れていると、何故か彼女が安心しているような気がしました。
だから私も安心していました。
旅立ちの日から、色んなタイミングが重なり・・・
こんなに短い時間で気持ちをゆっくりと整えることができたことは、今思うと奇跡としかいいようがありません。
サムちゃん、ありがとう。
(つづく)


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